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土手や田のあぜ道端などに群生する多年草。このヒガンバナ属は画像のとおり、葉のある時期には花は咲かず、花期には葉がないのが特徴。名前は、秋の彼岸の頃花が咲くことによる。葉は、花が終わった後伸び始め、冬を越したあと4月には枯れ始める。画像のとおり5月には葉はほとんど枯れてしまう。9月に入ると花茎が伸び始め30〜50センチぐらいになり、細い花弁が反り返る赤色の花数個を輪状に開く。
このヒガンバナは有毒植物で、根茎に有毒成分が含まれており、食べると嘔吐、腹痛、下痢になり、多食すると呼吸困難となる。しかし、いまでも各地に、古くから飢饉のときなど、つき砕き、一昼夜以上流水でさらし、毒を洗い流し、取れたでんぷんを団子などにして食べたという伝承がある。
このヒガンバナは、種無しスイカのように三組(三倍体植物)なので、結実しない。
三倍体植物・・雄株、雌株の区別が無く種子で増えることができない。(遺伝子的には雌株である)基本の染色体数の三倍の染色体数をもつ生物体。四倍体と二倍体との交雑によって生じ、不稔性になることが多い。種なし果実の育成に利用。ヒガンバナ・セイヨウタンポポなどには自然にも存在し、これらは無性生殖によってふえる。
分布は日本全土であるが、別名が、手元の古い新聞であるが、地方によって死人花、地獄花等ありがたくない花など含めて、全国で一千種以上もあるという。(昭和59年10月6日朝日新聞参照)
なお、本種はもともと日本に自生していたものではなく、古い時代に中国から渡来した帰化植物と考えられている。
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