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山地谷沿いの湿地の礫地に生える多年草。撮影エリア内では、丘陵地の北側斜面の谷沿いや、崖地に生え、日陰を好むかのようにハート型の葉に包まれるように清楚な十字型の花をつける。
茎は地をはい、先が斜上し、高さ20〜30センチで根は細い。根生葉は長柄があり、卵円形または腎円形で、基部は心形で、波状の鋸歯があり無毛。茎葉は小型で互生し、長卵形で、先端に微突起がある。茎頂に総状花序をだし、直径1センチほどの白色の4弁花をつける。雄しべは6個で、うち4個が長い。本種はワサビに比べ小型で、根茎は画像のとおり太くならず細い。花後、画像のような細長い果実をつける。噛むと、僅かながら辛みのような香気がある。
花期は通常3〜5月であるが、撮影エリア内では画像のとおり2月の初めには咲き出す。
和名は、秋から冬に地ぎわ、葉柄のつけ根付近に紫黒色にふくらみ、小さなユリ根に似ることによるという。なお別名に、ヒメワサビ、オンナワサビ、タニワサビ、ニガワサビ、イヌワサビなどの呼び名がある。
なお、本種は食用にもなり、早春莢がつき先にまだ花が残っている頃、葉や花茎を湯通ししておひたしやあえものに、また刺身のつまにも細かく刻んで薬味などにしてもよい。
分布は、本州、四国、九州。 |
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